「はーちゃん」です。
いつもやさしく微笑んで
一番お客様を和ませている彼女。
ひつじです。
女の子です。
青森出身？です。
このひつじの「はーちゃん」は
たぶん
ずっとずっとずーーっとお店にいるでしょう。
僕は一生捨てません。
なぜって？
それは・・・感謝しているからです・・・はーちゃんに・・・
このひつじのぬいぐるみ
青森のごく普通の雑貨屋さんで買ったものです。
その日
僕たち一家は住み慣れた土地を離れ
大好きだった友達に見送られ
車で埼玉を後にしてきました。
青森で北海道行きのフェリーを待つ間
僕たちはせめて子ども達の楽しいことを、と
子ども達の観たがっていた映画を観ました。
映画館のあるショッピングモールで
滅多におねだりしない
娘が欲しがったもの・・・
それは、大きなひつじのぬいぐるみでした。
そして娘はそのひつじに
「はーちゃん」
学校で一番仲の良かったお友達の名前をつけたのです。
娘はフェリーの中で
ずっとはーちゃんを抱きしめて眠りました。
その姿を、僕は生涯忘れることはないでしょう。
最近「はーちゃん」は一人でいることが多くなってきました。
僕が居間の椅子に座らせると
なんともしっくりとして
はーちゃんも嬉しそう。
娘に頼んで店員になってもらいました。
そして今日も
娘が友達といっしょに遊んでいるのを
やさしく微笑んで見ているのです。
「これ売り物ですか？」
時々お客様に聞かれるときがあります。
僕は決まってこう答えます。
「これは売れません。
我が家の大切な友人です」
