美瑛の丘の心象風景  おもちゃ屋さん日記

美瑛の丘の上にある 小さなおもちゃ屋さんからの物語

事故の記録【感じたこと】最終回




       腰椎(背骨の下から5番目)圧迫骨折
       一ヵ月入院
       全治6ヶ月



       ただし、脊髄に損傷はなし
       手足の損傷もなし
       脳も異常なし
       手術の必要もなし






       つまり寝ていれば
       元の状態にもどれます、という
       医学的な見地からは、大変贅沢な状態でした。


       あの高さからの転落で
       この状態は奇跡的。
       何かが少しでも違っていたら
       命を落としていてもおかしくないどころか
       下半身不随でもいい方だったかもしれません。







       沢山の方々からのお見舞いや
       励ましの言葉、そして心のこもった品々。
       病院で看護してくださる方々の優しさ。
       家族の毎日の笑顔・・・


       近くから遠くから集まって
       激痛と動けない苦しさの中にも
       生きている幸せと沢山の方々の愛を感じました。


       そして、心の中は神様への感謝で満ちて、平安でした。









       しかし、痛みが和らいでくると
       あの時のことが鮮明に浮かんできて
       もし「こうしていたら」とか「ああしていたら」とか
       悶々と考えていました。
       


       そして痛みもなくなり
       退院のめどがたった頃。
       皆さんからいただいた手紙を読み返し
       どんなに沢山の愛に囲まれているかを痛感して
       ハッとしました。



       昔、僕は「お嬢さんを幸せにします」と彼女の家族に言って結婚し
       「家族で素敵な時間を共有する」ことを掲げて北海道移住を説得し
       「子ども達の教育に責任を持つ」ことを義父母に約束して美瑛に来ました。
       教会においても、仕事においても、担っていた責務を替わっていただき
       使命と夢を託して送り出していただきました。



       もし、ここで命を落としていたら・・・
       そう思ったのです。




       「全て途中で投げ出してしまうところだった」




       今回の僕の行動は、自分を送り出し、
       応援してくれている人たちの気持ちを裏切る軽率な行為だった・・・
       自分の命と体を、もっと大切にしなくてはいけなかった・・・
       本当に申し訳ない。
       心から悔い改めました。



       屋根に上った段階ではすでに遅く
       屋根に上がるかどうか
       この判断をするときに、自分の命の重さを考えなくてはいけなかった。



       その失敗を神様は奇跡で覆ってくださり
       もう一度生きるチャンスを与えてくださったのです。




       「何のために生きるのか」に対して素直に
       「一歩一歩にある危険」に対して聡く
       「日々与えられた命」に対して感謝
       



       これが僕の学んだ事です。
       今日から再スタートです。
       最後に、
       家族のひとりひとりに
       心から感謝をこめて


       ごめんね  そして、 ありがとう
      








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