美瑛の丘の心象風景  おもちゃ屋さん日記

美瑛の丘の上にある 小さなおもちゃ屋さんからの物語

ラファエロ展 その2 大公の聖母




       聖母マリアと幼いキリスト



       この名画をこんなに近くでじっくりと鑑賞できるなんて
       なんという贅沢なのでしょう。



       包み込まれるような聖母マリアのまなざし。


       これまで起こった
       キリスト誕生の不思議な出来事。
       そしてこれから歩まれるであろう苦難の預言。
       若い女性が背負うには重すぎる使命。
       しかし表情に不安や迷いはなく、それらをすべて心に秘めて、
       思いめぐらせているようです。




       天使が彼女に「あなたは神の御子を生みます」そう告げた時、
       マリアの心の中はどうだったのでしょう。
       婚約者ヨセフの顔が浮かんだのではないでしょうか。
       そして当時の法律では、石で打ち殺されることを意味していました。



       しかし、
       マリアは天使にこう答えます。

       「ほんとうに私は主(神様)のはしためです。
         どうぞあなたのおことば通り この身になりますように」
       すべてを神様に任せて、自分を明け渡したこの言葉・・・








       重さがないかのようにふんわりと抱かれるキリストは
       その手を聖母マリアの体の中心にそっと置き
       魂を、その従順の意味を慈しむような眼差しでした。






       ラファエロがこの絵に込めたテーマは
       きっとこの「キリストの左手」に凝縮されていて
       その置かれた手のあたたかさを
       マリア自身も感じているように僕には見えました。


       そして僕の胸にも手が置かれているような
       そんな気持ちが満ちてきて
       この場を動けませんでした。。。











       僕のラファエロ展の心象はこれで終わりです。
       時間の許す方は、ぜひ足を運んで観てください。
       心からお勧めします。





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