美瑛の丘の心象風景  おもちゃ屋さん日記

美瑛の丘の上にある 小さなおもちゃ屋さんからの物語

残照






夕日沈んでなお・・・美しい空の色・・・




養護教諭をしていた母が
私の結婚一ヶ月前に、家族旅行の旅先で亡くなって
もう14年が経とうとしています。
昨日、父の書斎から出てきた白黒の写真
新婚時代の母の笑顔
今の自分より若い母は明るく輝くように笑っていました。








先日、小雨の降る午後
娘を学校に迎えに行って帰ると
思いがけない方が玄関に立っていました。




それは、母の一番最後の友人。
子ども達が手を離れ
夫婦の時間を大切にしはじめた頃に
仲の良かったご婦人でした。




 

驚きも一段落し
父の遺した絵本をめくりながら
ゆっくりと話してくださったのは母の話でした。



湯沢で開いたピザハウスの話
津久井湖の山菜採りの話
ワカサギ釣り
竹の子堀り
海の家
料理の味・・・



いきいきと母の姿を彼女の中に見ることが出来ました。











自分の中に残っている
心に美しく響くもの。。。
その琴線を「これも母からもらったものだ」
そう感じることが出来た静かな時間
母の残照を美しく見上げて




「雨も上がったわね、亡くなったおじちゃんおばちゃんに会えたようだった」



そう言って
ご婦人は帰ってゆかれました。












びえいの丘のおもちゃ屋さん 店長北海道移住日記