美瑛の丘の心象風景  おもちゃ屋さん日記

美瑛の丘の上にある 小さなおもちゃ屋さんからの物語

僕の最後の給食作り


忘れられない、カレーの味


子どもたちの通っている小学校は
あたたかい昼食を出してあげたいという創立者のお考えで
在校生の父母が食事を作ります。




ひと月に一回の給食当番・・・
北海道美瑛への引越しが3週間後にせまり
とうとう最後のお当番になりました。




メニューはカレー
僕の仕事の分担は調理ではなく
食器の数をそろえたり、配膳の繰り回しだったのですが
最後だし、何とか調理に加わりたい!
いつもよりだいぶ早く行って、担当の仕事をすませました。




お父さんの仕事は力仕事がメインです。
大きな釜でたまねぎを、きつね色になるまで炒めます。
腕がパンパンになります。
たまねぎがいい色になり、お肉がじゃんじゃん入ります。
今日はいつもよりお肉がおいしそう(^−^)




どさっと「にんじん」の明るい赤が入ります
続いて「じゃがいも」の元気な黄色・・・
それは花火のような、万華鏡のような美しさ!
僕はこの瞬間が大好きです。。。





ほどなく
おいしそうなカレーがなべによそわれ
子どもたちの机に並んでゆきます。
いつもは騒がしい食事時間も、今日はみんな食べるのに夢中
作り手として一番うれしいひとときです。




ご報告の時となり、先生からお肉についての報告がありました。
「今日の牛肉は、学校の農場の方が3年かけて一頭だけ育てた牛のお肉なんです」
「みんなのために、心を込めて育ててくれたお肉の味は違いますか?」



4年間、半人前ながら
僕もこころを込めてお食事作りをしたつもり。
その最後の時に、とっておきのお肉を調理させてもらえたことは
なんだか神様からのプレゼントのようでした。



もう人生の中でこんな経験はないでしょう。
学校で子どもの食事を作れること
一緒にお昼ごはんを食べられること、
願ってもかなわない人もいる中で、
僕は何て幸せな体験をさせていただいていたんでしょうか







娘や息子がおいしそうに食べているのが見えます。





お肉の味とともに
忘れられないカレーになりました。








にじのつみき 店長日記